バイオ製剤による
“油処理”

土や路面に流出した油(主に鉱物油)は、処理が遅れると被害が拡大したり、長時間放置されると土壌汚染汚染につながってしまいます。当社では、流出した油の緊急的な処理から土壌汚染の処理までワンストップで対応します。

油漏れの緊急対応について

油漏洩の被害の拡大の防止および処理 (油の回収が大前提 )

1. 水路や河川等へ流出した場合

(1)オイルフェンスをはり、油の流れを止めます。

(2)油吸着マットや油吸着材等で回収します。油吸着材が無い場 合は、古布や布団等を使用し、流出を止めるようにします。

2. 路面や土等へ流出した場合

(1)油吸着マットや油吸着材等で回収します。油吸着材が無い場合は古布や布団や吸うものを使用し回収をします。

(2)場合によっては、油で汚れた土壌を取り除きます。

最寄りの機関(警察、消防等)への連絡

1

発生、発見の日時・場所

住所、事業所名、
流出した河川名等

2

事故の内容

原因、油の種類等

3

規模

漏洩量等

4

被害状況と
影響範囲

油漏洩事故は、初動が一番大事です。火事と同じで、油漏洩も最初にきちんと対応することにより、処理も小さく出来ます。
油処理資材に関する規制や決まり事や法は、国土交通省海上保安庁が定める型式承認があります。これは、海で使用するものの規定であり、国際法との関係で定められています。海以外で使用する場合は一切法規制等はありません。型式承認には、吸着材やオイルフェンスや油処理剤等々多数の資材が規制されています。
※海に漏れた油に対しては、国土交通省の型式承認を得たものでないと使用出来ません。

環境にやさしい油処理資材で、
土壌・地下水を環境汚染から守ります。

  • 環境にやさしい安心安全な資材で、素早く処理出来ます。
  • 緊急を要するタンク等の備蓄油の漏洩事故に。
  • 日常作業においてのちょっとした油漏れに。
  • 施設内の重油タンク等のタンクや配管の損傷からの漏洩事故に。
  • 工場内等々で常時油を使用するため、床や壁や工具等の油処理に。
  • 人為的なミスによる漏洩事故に。

さまざまな場所での油処理に対応します

水路
河川
路面
土壌

当社は、環境に安心安全な油処理資材をラインアップして、さまざまな油漏洩に対応します。

事案別用途別対応

油漏れ状況 おすすめ資材 使用方法
油処理剤
オイルメディ
油吸着分解剤
オイルゲーター
油吸着材セルソーブ・
セルフェンス
油吸着マット
オイルメディマット
工場構内等
ツルツルした床
オイルゲーターで回収
オイルメディで洗浄
アスファルト オイルゲーターで回収
オイルメディで洗浄
土・砂利 オイルゲーターを撹拌
オイルメディを散布
油水分離槽
側溝
セルソーブで回収
油膜はオイルメディで処理
河川 セルフェンスでせき止めて、セルソーブで回収。油膜はオイルメディを散布

油土壌汚染の対応について

鉱物油系土壌汚染の背景

一般的に土壌中に国で定められた基準値を超える有害物質があると土壌汚染箇所となります。以前から多いのが、ガソリンスタンド跡地や油槽所や工場の跡地にベンゼンやキシレンやトルエン等の有害物質がある場合があります。2012年施行の消防法の改正で、埋設タンクの規制があり、40年以上続けているガソリンスタンド等埋設タンクを所有している業者は、埋設タンクの老朽化による漏洩等の問題が顕著になり、跡地の問題がクローズアップされたことがあり、ガソリンスタンドの数はピークの半分程度に激減しました。

次に土壌汚染で表に出始めたのが、電気メーカーの工場の敷地内での問題です。電気メーカーは、商品完成の最終工程で機器に付着した油を脱脂剤で油を落とす工程があり、処理したものは敷地内に流していました。この脱脂剤はトリクロロエチレンというもので、脱脂剤としての効果はかなり高く、どこの工場でも使用されていたものですが、1990年頃に、このトリクロロエチレンが国指定の有害物質に認定され各工場の場内地下にかなりの量のトリクロロエチレンがあり、問題となってきています。

そして、有害物質はの浄化方法としては、大きく分けて3つがあります。

掘削除去

掘削除去とは、土の入れ替えで、汚染土を掘り出し新しい土を入れる方法を言います。掘削作業になるので、ほぼ土木工事になります。掘削作業、搬出作業、処分費用、処分場への運搬費用(マニフェスト締結)、新しい土の手配、埋め戻し作業等々要するため、コストはかなりかかりますが、即効性はあるのがメリットです。土地の売買が迫っているとか、すぐに汚染の対応をしなければならない時には有効な手段の一つです。

原位置浄化

原位置で汚染土の場所を動かすことなく、処理する方法で、代表的な原位置浄化方法は、大きく分けて2つの工法があります。

・フェントン工法
フェントン試薬(過酸化水素と鉄イオン)を汚染土に注入し、フェントン反応によって生成したヒドロキシルラジカルの酸化力により、分解する浄化処理法です。化学反応を利用した方法で高熱になりあたり一面が蒸気に覆われることがあります。また、化学反応後何が生成されるかも不明で、比較的即効性はありますが、安全面に問題があるとも言われています。

・バイオレメディエーション
鉱物油を分解するのに長けた微生物を汚染土に注入することを繰り返し行うことで、汚染物質を分解する技術です。微生物が処理するため、時間はかかりますが安全に低コストで処理が可能です。

封じ込め

言葉の通り、浄化はしませんが、敷地から敷地外に有害物質を出さないという対応方法です。敷地境界線に鋼矢板を地中深く打ち込み、地下水の流れを遮断するもので、根本的な浄化ではないですが、認められております。

バイオによる油汚染土壌処理方法

当社は、上記の3つの浄化方法のうち、『02原位置浄化』のバイオレメディエーション技術で、土壌汚染を解決します。油吸着分解剤オイルゲーターを撹拌可能な状況であれば撹拌し、鉱物油分解菌を注入管を埋め込み地下水に注入することにより、浄化をしていく工法であり、安全かつ確実に対応していきます。土壌汚染や油漏洩対応では、ボーリングによる分析から浄化まで一貫してワンストップで実施するノウハウを持ってます。

01掘削が出来る場合

油吸着分解剤「オイルゲーター」+液体バイオ「HC」

汚染した土壌を、油吸着分解剤オイルゲーターと鉱物油分分解用バイオ製剤、栄養剤、水を添加し、重機等で酵素を取り込みながら撹拌し、微生物の働きにより油分を水や二酸化炭素などの無害な物質へと分解し浄化を行う工法です。
地球温暖化等の観点からみても環境に非常に優しい技術であると言えます。

1地上でのバイオ製剤撹拌工法

汚染土壌を堀削し、地上でバイオ製剤を撹拌し浄化を行う工法です。

2原位置でのバイオ製剤撹拌工法

原位置(定置型)でバイオ製剤を撹拌し、浄化を行う工法です。

油吸着分解剤オイルゲーター撹拌

鉱物油分解菌HCを噴霧し撹拌

オイルゲーターによる油(灯油+A重油)分解実験

02掘削が出来ない場合・地下水も汚染されている場合

液体バイオ「HC」の注入、バイオリアクター処理

建物の下等で、油吸着分解剤オイルゲーターを撹拌できない場合、注入管を設置し、鉱物油分解菌「HC」バイオや栄養剤・エアーを注入方式又はバイオリアクター方式で汚染物質を分解します。

土壌・浄化システム

バイオ製剤と栄養剤とエアーを混合し、注入管より注入し、別の管より汚染物質を引き抜き循環させ、汚染物質を分解し浄化を行う。

地下水汚染処理 循環化システム

バイオ製剤と栄養剤とエアーを混合し、注入管より注入し、観測井戸を設置し、観測井戸より汚染物質を引き抜き循環させ、汚染物質を分解し浄化を行う。

油処理シリーズラインアップ

環境に配慮した水系の油処理剤で二次汚染を防ぐ

オイルメディ

従来は、陸地河川でも中和剤を使用するのが当たり前と思われていましたが、乳化白濁するため陸地や河川では使用しづらく次第に使用されなくなりました。次に、ママレモンのような食器洗い専用の合成洗剤の使用が一般的となりましたが、合成洗剤も元をたどれば石油系製品でもあり、界面活性剤も40%程度入っているため泡立ちもあり、油漏洩に使用するのは、問題視されるようになりました。 オイルメディは、環境に配慮した水系の油処理剤で、泡立ちもなく、乳化白濁せずに処理できるのが最大の特徴です。

特徴
  • アルコール系石油系の溶剤を一切使用していない完全水系の油処理剤です。乳化タイプの中和剤とは違い、白濁現象を起こしません。また、水系のため消防法上の備蓄制限はありません。
  • 油を超微粒子(自然界の微生物が処理できるレベルまで)に加水分解し、かつ一度分解された油は再付着しないため、オイルボールや油紋の発生を抑えます。
  • 油を分解するとともに、本液中の特殊栄養剤によって地場の微生物を急速に増殖させ、油分子を水と二酸化炭素に生分解します。
  • 長期間(3年以上)保存可能です。(ただし保存状態によります)。
  • 希釈タイプ(通常10倍)により経済性も高いです。
  • 本液体は生分解性99%以上です。
  • 環境負荷の少ない陰イオン系界面活性剤を約4%と少量のため、使用時の泡立ちが非常に少ないです。
  • 天然植物から抽出した消臭剤を配合しており、鉱物油特有の臭いを抑制します。
効果
  • 道路等に流出した油にオイルメディを約10倍に希釈したものを散布すると、油紋は瞬時に消滅します。
  • アスファルトに対する影響もなく、ヌルツキ、白濁現象も見当たりません。
  • 微細化された油分子は、オイルメディにより再付着がないように作用するため、油処理による二次災害を防ぎます。
  • 流出油に散布してやることにより、鉱物油特有の臭いも抑制します。
  • 油吸着剤使用時のように、回収する手間もなく作業の効率性も向上します。
用途
  • 道路での油流出事故に。
  • ガソリンスタンドでの油流出に。
  • 川、用水への油流出に。
  • 工場等での油でベトベトになった床清掃に。
  • ISO14001対策に。(セクション:4.4.7 緊急事態への準備及び対応)
  • 機械まわり、工具等の洗浄に。軍手、作業着等に付着した油汚れに。
  • その他油汚れのところに。

『従来の油処理剤(乳化タイプの中和剤)』と『オイルメディ』の比較

比較項目 油処理剤(乳化タイプ中和剤) オイルメディ
使用方法 原液もしくは希釈して使用 希釈して使用
界面活性剤 20%~70%使用 約4%使用(使用中、使用後にヌルつきが少ない)
成分 界面活性剤・アルコール系、石油系の溶剤
(第4種第3石油類、第3危険物)
界面活性剤・水
アルコール系、石油系の溶剤を一切使用していない完全水系の
油処理剤。特殊栄養剤入りなので微生物を増殖させ分解を早め、
油の臭いも抑制。
発泡性 大きい 少ない
水素イオン濃度 一般にアルカリ性 中性(対生物毒性が極小)
中和の状況 乳化(白濁現象)する 分解、分散する(白濁しない)
舗装への状況 商品によってはアスファルトを溶かす 水系なので舗装に優しい
河川への状況 処理剤自体が油なので使用時は気を付ける必要がある オイルメディは水系なので河川に優しい
使用温度 常温 常温
備蓄 石油製製品のため消防法上での一定量以上の備蓄は不可 水系なので制限なし
油の処理量 油1に対し処理剤1 油1に対しオイルメディ(原液)1/2~1/3
オイルメディの使用例

(1)水上・河川・池などの油処理例

1

水面に油紋が滞留しています。

2

10倍に希釈して直接散布します。

3

油紋は瞬時に消滅します。

(2)路面などの油処理例

1

こぼした油

2

10倍に希釈した「オイルメディ」を散布。

3

ブラシでよく掃除する。

4

油の分解が出来ると、泡立ちがなくなりヌル ヌルしなくなる。

5

残った「オイルメディ」で分散する。

6

油処理、終了

粉状の油吸着分解剤で、土壌・路面の油を吸着

オイルゲーター

場内等で油を扱っているところであれば、漏洩対策として、油吸着マットはだいたい備蓄していると思います。
油吸着マットは、水の上や路面等でも油回収材として使いやすく効力を発揮しますが、アスファルトや砂利や土等に漏洩した場合、吸着マットでは対応しきれないのが現状です。
そこで、頼りになるのがオイルゲーターです。
オイルゲーターは、粉末であるため、アスファルトの隙間にも入っていくので、対応出来ます。また、砂利や土にこぼれた場合、油はすぐに染み込んでいきます。オイルゲーターを散布し撹拌すれば、吸着後再溶出しないので、油の拡がりも抑え、バクテリアの力で油を分解することが可能です。

特徴

天然セルロース100%を使用した粉状の油吸着剤です。鉱物油を分解する能力を持った微生物と栄養剤を添加。路面や工場の油流出時の常備品として、また土壌改良剤としても威力を発揮します。

効果

綿花の加工品で、新油性が高く、瞬時に油を吸着します。土壌に染み込んだ油や路面にこぼした油を吸着させ、汚染範囲の拡大を抑え、微生物が油を分解。一度吸着させた油は毛細管現象で、オイルゲーター内に固定され、再流出させず、揮発も抑えます。

浮上油用油吸着材で浮いた油を吸着

セルソーブ

水面に油がこぼれてしまった場合等の回収材としては、油吸着マットが一般的ですが、油吸着マットは、ポリプロピレン製のものが多く、ポリプロピレンの性質上、油の吸着能力は自重の10倍程度で、水を吸ってしまうものも多いです。
水面に浮いた油を回収するには、浮上油用油吸着材セルソーブをご提案します。セルソーブは、古紙のリサイクル品で、環境にやさしい素材で出来ています。セルソーブは自重の15~18倍吸着します。さらに、水面の油のギラギラの油膜に有効なのが、オイルメディです。オイルメディは、水系油処理剤で、石油系アルコール系の溶剤は入ってない。ギラギラした油膜は、散布後瞬時に見えなくなります。現場での、ほんの少しの油漏れには最適です。

特徴

特殊撥水加工がしてあるため、水を吸わずに油だけを短時間で吸着させることができます。

効果

原料に古紙のリサイクル品を使用した綿状の人と地球にやさしい浮上油用油吸着材です。

超吸収力の粒状油吸着材

オーエスライト

特徴
  • 原料は鉱山から掘り出された天然鉱物で、これを1000℃で粒状に焼成しています。
  • 重量は鉱物の性質上、珪藻土の約1/5です。
  • 非常に優れた多孔質のため、油・化学品の吸収力・吸収速度が抜群です。また、原材料が軽く持ち運びが容易な上、吸収速度が速いので作業時間の短縮化が計れます。
  • 無機質なので人体、植物に優しい製品です。
  • 保持力にも優れており、吸収した油が再放出しにくい性質です。
  • 油を吸着した後は、焼却する事も可能です。また、植栽等に投入すると、自然界の微生物の力により4~5ヶ月位で油分を水と炭酸ガスに分解します。オーエス・ライトは保水性と通気性に優れているので、土壌改良材にもなります。
  • 通気性がよく、排水性舗装の機能を損ないません。
  • 持ち運びが便利で、保管がしやすいので、ISO14001対策に(セクション4.4.7緊急事態への準備及び対応)役立ちます。
用途

道路、コンクリート面、工場内等の漏出した鉱・植物油や液体化学品の吸着除去。
(また、この製品をPP繊維に包めて、オイルマットやオイルフェンスのようにしても使用できます。)

加工油および危険化学液体の吸収材

オイルメディマット

特徴
  • 高品質高分子集合材を原材料として、加工油および危険化学液体の吸収材として利用されます。
  • 一次成型された製品は柔軟で、剥離せず、抗張力が強く、表面が滑らか、強靭であり、繊維は 容易に外力による摩耗または脱落を起こさず、また接触する物の表面を傷つけません。
  • 維裏面は羊毛状で柔らかく繊維が整然と並んでおり、その為液体を吸収しかつ吸収速度を速め、吸収倍数を大きくします。
  • 本体重量の10倍以上の液体を吸収し油分子および危険な化学液体を固定し、油分子が拡散し環境に悪影響を与えるのを防ぎます。
  • 製品は通常の処分ができ、耐酸性、耐腐蝕性、抗静電性、埃を吸わない、温度による影響を受けない、点火しても炎を出さない等の特性があり、環境に無害安全です。
  • 使用後焼却処理でき、焼却灰は2%以下です。
用途

油吸着マットは海事、航空、貯油タンク、機械、化学 工業、河川、汚水処理場などで、石油化学溶剤、鉱植物油、漆、水性および非水溶性物質などの吸収に使用します。